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0411

革命派や革命党であるまえに、革命的であること

徒党というのは、歩調や口調が小気味良くそろっている。もっとも憎悪しているのは、その同じ徒党のなかにいる人間である。かえって内心頼りにしているのは徒党の敵手のなかにいるものである。

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それじゃあ、どういうのがいいんだというと、
「親に孝行しろって、
 ほんとうはなんなの?」
ということについて、
自分なりの判断ができていないといけない、
ということなんです。
社会の現状と、
昔の人がどういうことで「親孝行」を
言い出していたのかを
考え合わせるんです。

昔の言葉を借りてくるだけだと、
結局のところ、昔のモラルをそのまま
引っ張り出すだけになってしまいますね。
長幼の序とか、そんなふうに
決まった言葉で言うんじゃなくて、
昔の考えの根拠と
今の時代から見た風景を
自分なりにちゃんと混ぜて
「年寄りはすげえもんだ」ということを
見つけておくことが必要なんですね。

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 あゝ おまへはなにをして来たのだと……
 吹き来る風が私に云ふ

という詩が、中原中也にあります。

生活やいろんなことに参って
帰郷したときの詩です。
なんともみじめな思いじゃないかという、
そういう詩です。

だけど、それをみじめと言う人は、
その世界に近づいたことのない
距離から見ているからだと思うんです。
読者の人はそういう近づき方を
あまりしないで読むかもしれません。
だけど僕は、中原中也のそういう詩を読むと、
「この人は、生活に負けたとか、
 そんなことで
 割り切っているわけでもなんでもない」
ということを思うんです。